早すぎる2回目

ここ数日、とんでもない猛暑が続いておりますがみなさまお体の調子を崩されてはいないでしょうか?
こんにちは、変わらず元気な中村です。

 


2ヶ月前のブログで、私がよく美術館に行っていることや人生で初めて絵を買ったことなどをお話したのですが、皆様覚えていてくださっていますか?
作品は無事に自宅に届いて、現在はリビングの一番目立つ場所に飾っています。毎日本当に気分がいいです。

 


そしてこれは今月の頭の出来事なのですが、なんと中村、2枚目を買ってしまいました…
前回のものに比べれば、サイズも小さくお値段も可愛いのですが、まさかこれほど早く次の作品をお迎えすることになるとは思っておりませんでした。さすがに。

 


ただ、これにはちゃんと理由があるんですよ。それを聞けば皆様も「まあしょうがないな」と思っていただけると思います。ただ、ひとまず迂回して、前置きとして美術の話を少し。

 


中世ヨーロッパでは「宮廷画家」という仕事がありました。
この人たちは、貴族たちの依頼に応じて作品を制作する芸術家で、雇い主である貴族から給料や邸宅を与えられる、名誉ある仕事でした。場合によっては、外部からの制作依頼を制限されることもあったようです。いわゆる“お抱え”ってやつですね。

 


ちなみに、皆さんもご存知であろうレオナルド・ダ・ヴィンチミケランジェロラファエロといったルネサンスの三大巨匠の作品は、貴族やパトロンから依頼を受けて作成したものがほとんどですよ。

 

 

現代ではこういった例はあまり多くなく、制作者が自由に作品を作り、値段を付け、個展等で発表し、気に入った人に購入してもらう、という形式が一般的です。つまり、自らのために制作し、それが商品となるわけですね。現在のこの在り方は、19世紀ごろのフランス絵画の発展(長くなるので割愛)が大きく影響しています。

 


さて、前回私が購入した絵は、個展で一目惚れしたものです。作者の方が表現した世界が私にとって魅力的なものだったため、取引が成立したわけですね。現代ではすごく一般的な流れです。普通of普通。

 

 

 


ただ今回は話が違うわけですよ。
察しの良い方ならお気付きになられているかもしれませんが、
今回の作品は依頼をして、私だけのために制作していただいたんです。

 


ことの発端は先月。ふとSNSを眺めていたら、仲の良い友人の肩書きが画家になっていました。1〜2ヶ月に一度は遊ぶ程度には仲が良かった(大人になると、これでも頻度が高い方なんですよ)のに、そういった話は全く聞いていなかったので、本当に驚きました。しかも、SNSにアップしている作品たちがみな私の好みに刺さるわけです。すぐさま私は彼に連絡を入れました。

 


余談ですが私の周り、なぜかこういう人が多いです。すごい人と友達になるんじゃなくて、友達がすごくなるパターン。以前にも、友人がクラシック歌手になってて焦ったことがありました。なんなんですかね(笑)

 


さて、驚いた中村はすぐに友人とコンタクトをとり、直接会って経緯やら何やらを根掘り葉掘り聞きます。そして彼の自宅に行き、アトリエを見せてもらい、作品たちも全て見せてもらいました。そこで彼にこう提案されます。

 


「ユウスケさんに、一つ作品、作ろうか?」

 


自分はまだ駆け出しだから、絵を発表しても買い手がつくまでには時間がかかる。だから依頼してもらえると、そういう意味でもありがたい。とも言っていました。正直ですね(笑) でも、自分だけのために絵を描いてもらうなんて機会、一生のうちにあるかないかだな、と思い即決しました。

 


「自分のためだけに」
これが本当に大きかったです。世にある美術作品のほとんどは、自分のために作られたものじゃないんですよ。大衆のため、作者自身のため、または他の誰かのために作られているんです。彼だって、これまでも、そしてこれからもそうやって作品を世に生み出していくでしょう。
でも、今回のこの作品だけは、世界に唯一、私だけのために作ってくれるんですよ。

 


友人の絵は抽象画なので「じゃあユウスケさんのこと、もっと教えてください。」と、そこからは私が根掘り葉掘り聞かれる側に回りました。30分ほど色々な話をしてその日は解散。一週間後に完成したとの連絡が来て、先日、直接会って絵を受け取りました。

 


その場で実際に絵を見ながら、どんなイメージで描いてくれたのか、この色使いにはこういう理由があって…等の話をしてもらい、ご満悦の中村でございました。

 


とまあ、これが顛末です。
いかがでしょうか、みなさまに納得していただけたでしょうか。
最後に、作成していただいた絵をお見せしてお暇します。

 

 

左は個展のポスター、右が今回制作してもらった作品です。

これが私なんだそうです。私しか知らない意図が、この絵にはたくさんあるのですよ。ふふふ。

 

 

それでは、今月はこの辺りで。