色々な話

こんにちは、中村です。

 


突然ですが、私は色の識別が苦手です。特に赤色はくすんで見えるので、よく緑色と間違えたりします。「色覚異常」とか「色弱」とか言われるやつですね。ちなみに色弱にも種類があり、赤色と緑色の区別がつきづらい人は「赤緑(せきりょく)色覚異常」と呼ぶようです。

 


これは生まれつきのものなのですが、自分が色覚異常だと自覚をしたのは高校〜大学生の頃でした。だいぶ遅いですよね。もっと早く気付けよ、と。
もちろん小さい頃から漠然と「見えづらい(分かりづらい)な」とは感じていましたよ。でもまさか「自分と周りの見え方が違う」なんて風には思わないじゃないですか(笑)

 


おかしさに気付いた一番大きなきっかけは、パソコンのカラーパレット(文字や背景の色を変えるやつです)で、使いたい色を正しく選べなかったことでした。具体的には、文章の重要な部分を赤文字にしたいのに緑色にしてしまう、ということが何度も起こり、何の気無しに近くにいた友人に話したら「何言ってるの…?」という反応をされました。あのときの友人の顔はいまだに鮮明に思い出せます。

 


以降もそういった色の間違いは多々起こりました。
個人的に一番面白かったのは、コンビニを探しているときにファミマの看板を見つけて、友人に「あったよ!!!」と伝えたら、その看板がオランダ国旗を表していたときですね。あれは回避不可能でした。(ぜひみなさんオランダ国旗を調べてみてください。納得してもらえると思います。)
他にも生徒の薄紫色の水筒を「水色」と表現したり、授業中にチョークの色を間違えて使ったり、薄ピンクの蛍光ペンで塗られている箇所が分からなかったり…挙げていたらキリがないくらい、現在進行形でエピソードは増え続けています。

 


ちなみにそういうときによく勘違いされがちなのですが、二つの色が同じ色に見えているわけではないんですよ。もちろん私より程度が強い方はその限りではないかもしれませんが、とりあえず私に関して言えばそうではありません。あくまで区別が難しいというだけで、赤と緑を隣どうしで並べたら、どっちが赤でどっちが緑なのかは“じっくり見れば”分かるんですよ。
(前述したカラーパレット事件は、まだ自分の異常を自覚していなかったので、赤だと思った色をパッと選んでしまったがゆえに起こりました。ちなみに私は弁明の中で「ちゃんと見れば分かるよ!!ほら!!!」とパソコンに顔を近づけたのち数秒かけて赤色を選びましたが、友人曰く「普通はそんなことしなくても選べるんだよ^^」とのことでした。みなさんそうなんですか???)

 

 

 

さてこの話をした背景なのですが、つい先日塾生で同じように少し困っている子を見かけたんですよね。実はこの色覚異常はそこまで珍しいものではなく、その子や私と同じようなハンデを抱えている方が女性では500人に1人、男性では20人に1人の割合でいるというデータもあります。男性だと学校の1クラスに1人いる、くらいの感覚です。

 

 


そして厄介なことに「見え方」という外から判別できない事象だと、子供たちが困っていることに周りの大人が気付けないことも多いです。気付けないもう一つの要因として、本人にとってはその見え方が当たり前なので、そもそもその子自身が「困りごと」として認識できていないこと、も挙げられるでしょうか。
だから生徒のみなさんにはこの記事から、そういった不便さを感じている人が周りに多くいることを知ってほしかったのです。また実際にその不便さを感じている人は、ぜひ周りの大人に伝えてみてほしいです。伝えてさえもらえれば、何かしら対応できることがあると思います。

 

 

 

何事もそうですが、自分の当たり前は、当たり前じゃないことがあります。良い方にも悪い方にも。
それを是非心に留めておいてくださいな。

 


ではまた来月。